Nature ハイライト

神経:頭を冷やして歌を遅くする

Nature 456, 7219

ヒトの発話や鳥のさえずりのような複雑な行動では、さまざまな時間スケールにわたって、順序立った一連の運動が適切なタイミングで実行される必要がある。だが、この種の行動を制御する「時計」の本質はよくわかっていない。今回、広く応用できる新技術を用いて、鳥のさえずりの音響構造的タイミングのもとになる時計回路の場所が特定された。この方法は、脳の信号処理速度が温度によって強く影響を受けることを利用したものである。キンカチョウの前運動野HVCの活動を、冷却によって遅くすると、さえずりの全体の速度は下がったが、さえずり内の要素の音響構造には変化がなかった。この結果は、HVCがさえずりの音響構造的タイミングを決める複雑な行動列を制御する領域であることを示している。

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