Nature ハイライト

Cover Story:ぜいたくか貧困か:予想が不可能なミーヴァトン湖ユスリカ個体群動態

Nature 452, 7183

アイスランドにあるミーヴァトン湖の生態系は、単一種が優占しているという点で注目すべきものである。ミーヴァトンとは「ユスリカの湖」という意味であり、優占種はユスリカ、Tanytarsus gracilentusで、湖の二次生産力の3分の2を占めている。ユスリカの個体数には6桁近い大変動がみられ、その周期は4〜7年と不規則である。25年間にわたって個体群を追跡した新しい調査により、この現象は生息地に供給される食物の少量の上乗せによって変動の振幅が決まる、交替型の動的状態によって説明されることが明らかになった。人為的な撹乱によって餌の供給量がわずかに減少することで、最近のユスリカ数変動の拡大を説明できる可能性がある。つまり、環境保全という見地からすると、ユスリカ個体群の動態は本来的に予測不能であり、湖内の小規模な撹乱に対して予想された以上に脆弱であることになる。ミーヴァトン湖のユスリカは、自然の生態系の根本的複雑さと生態系管理の難しさの実例であるといえる。表紙は、雌の飛来を待ち構える雄のユスリカの交尾群飛である(Letter p.84, Author page, www.nature.com/podcast)。

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