Nature ハイライト

Cover Story:必殺の一撃:10億ドルでマラリアを根絶できるか?

Nature 451, 7182

まだ主要な死因の1つであり、特にアフリカでは猛威を振るっているマラリアとの闘いは、長いこと資金不足に陥っていたが、ゲイツ財団などの努力によって投資金が増大した。今週号のNatureではその進展の見通しについて特集する。現在のところマラリアのワクチンはない。B Maherがその理由を説明し、ワクチン開発に非常な努力がなされている状況を報告している(News Feature p.1042)。ザンビアはマラリアによって大打撃を受けている国の1つで、2005年にはマラリア罹患率を2008年までに75%削減する計画が立てられた。M Hopkinは、国内活動を支え、他国へ専門知識を広げる中核センターとしてMachaに設立されたマラリア研究所の活動について報告している(News Feature p.1047)。Commentaryでは疫学者のM Grabowskyが、「新たな資金」を例えば監視網などの適切な目的に使うことの重要性を強調している(Commentary p.1051)。M Kempは、マラリア伝播の仕組みを明らかにしたロナルド・ロスが残したノート「Memoir」を読んで、マラリアと蚊を結びつけた発見にとどまらず、彼が小説、詩作、スケッチなどにも優れた才能を発揮していたことを述べている(Books & Arts p.1056)。Editorial(p.1030)やオンラインのマラリア特集(http://www.nature.com/news/specials/malaria/index.html)もぜひ参照していただきたい。

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