Nature ハイライト 進化:時を旅するタンパク質 2008年2月7日 Nature 451, 7179 現在の生物の近縁種と遠縁種でゲノム塩基配列データを比較することにより、近縁だが現在は絶滅してしまった生物がもっていたと考えられる古代の類縁タンパク質配列を、コンピュータ上で再構築することが可能である。さらに、こうしたタンパク質を実験室で「復元」することもできる。今回、細菌の伸長因子25種類に関して、推定30億年にわたるその祖先型が復元された。これらの古代タンパク質は、地質年代をさかのぼるにつれて熱安定性がほぼ直線的に増加しており、古代生命を支えていた環境は当初は高温だったのが、次第に冷却されて30億年間で約30 ℃低下したことが示唆された。この低下パターンは、地質記録から推定される古温度の傾向によって裏付けられる。 2008年2月7日号の Nature ハイライト 物理:3次元ホログラフィーに加わった新たな次元 化学:ゼオライトの形状選択性の解明 医学:アフリカの麻疹流行の消長 宇宙:エンセラダスの2つのプリューム 進化:時を旅するタンパク質 海洋:ゼネラリストが行う沿岸域の炭素代謝 環境:窒素堆積からの復活 世界人口動態:高齢化の加速 医学:損傷の原因は老人斑 目次へ戻る