Nature ハイライト

免疫:スーパーオキシドの重要な役割

Nature 451, 7175

慢性肉芽腫症(CGD)では、食細胞がNADPHオキシダーゼ活性を欠き、スーパーオキシドを産生できないため、患者は細菌感染を繰り返しやすくなる。しかし、その詳しい機構やCGDで過剰な炎症が引き起こされる理由は明らかになっていない。遺伝子操作によって作製したCGDマウスに、子嚢菌の一種でCGD患者が感染することが多いAspergillus fumigatusを感染させた実験から、CGDではスーパーオキシドに依存してトリプトファンをキヌレニンに変換する反応に欠陥があり、抗菌耐性、炎症、およびT細胞恒常性に未知の単一の機構を介して異常が生じるという説が裏付けられた。この知見からすると、キヌレニンを用いた置換療法がCGD患者の病的な炎症や感染しやすさを制御する助けとなる可能性が考えられる。

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