Nature ハイライト

微生物:シロアリが木材を消化する仕組み

Nature 450, 7169

木材を餌とする食材性の高等シロアリは非常に繁栄している生物群であり、環境中の炭素の代謝回転の促進に重要な働きをしている。シロアリのこうした生活様式の成立に不可欠な化学反応を行うのはシロアリ自身ではなく、シロアリの後腸にすみ着いていて、リグノセルロースを分解する共生細菌である。コスタリカの熱帯雨林産の樹上性シロアリ150匹以上から得た腸内微生物のメタゲノム解析により、多様な細菌性セルラーゼおよびキシランヒドロラーゼの遺伝子が、その他の共生機能に重要な遺伝子と共に発見された。このデータセットには細菌性リグノセルロースヒドロラーゼが約1,000種類含まれており、その一部は生きたシロアリの後腸で発現していた。この研究により、シロアリは、木材をバイオ燃料に変換するのに使えそうな細菌酵素を豊富にもつことが明らかになった。

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