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地球:意外な場所で地震が起きる理由

Nature 446, 7139

地球の大陸地殻下部で起きる地震がまれなのは、下部地殻が脆性破壊を起こすには温度が高すぎるからだと考えられている。したがって、そのような地震が大陸地殻の引き裂かれているところで時折起きるのは意外なことである。タウポ火山地帯はニュージーランドの活動的な大陸地溝帯だが、今回ここでの地震活動と三次元地殻構造に関する研究から、このような地殻下部の地震の発生する仕組みについての見通しが得られた。地殻内の地震は、地溝帯に沿って連続した帯状の分布を形成し群発活動を起こすことから、臨界状態の負荷がかかった断層帯内部での流体の運動と関係があると考えられる。地震発生帯内の地震波速度は流体の存在と一致しており、上部地殻および下部地殻の地震活動を地殻構造と結び付けることで、このような地震活動すべてを普遍的に説明することができる。こうした地震活動はおそらく、本来なら乾燥していた断層表面が高温流体により弱化したことによるのだろう。

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