Nature ハイライト

細胞:多剤耐性の機構

Nature 446, 7137

多剤耐性機構は、抗生物質や抗真菌剤、抗マラリア薬、除草剤、さらにはヒトで使われる抗癌化学療法剤に至る広範な薬剤に対して働くが、その大半には細胞から薬物を排出するトランスポーターが関与している。このようなトランスポーターの原型である哺乳類のP-糖タンパク質は、数十年間にわたって徹底的に研究されてきたが、機構を理解するのに十分な構造的、生化学的なデータが得られるようになったのは、ここ数年のことである。今週号ではC Higginsが、主な4つのクラスの多剤排出トランスポーターに関する現在までに得られた知識を概説している。この4つのクラスの相違点と類似点から、多剤耐性がどうやって獲得されるのかについて新たな考察が行える。こうした研究は臨床分野の差し迫った問題を解決するところまでは行っていないが、多剤耐性を克服または回避するための戦略への道を開いてくれると思われる。

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