Nature ハイライト

材料:平らなようで平らでないグラフェン

Nature 446, 7131

グラフェンは、最近発見された原子1個分の厚さしかない単層グラファイトで、材料科学や物性物理学の分野で注目を集めている研究トピックの1つであり、研究用のモデル系としてよく用いられている。微小な支持体を使って個々のグラフェンシートを宙づりの状態に保持させた実験で、透過型電子顕微鏡と電子回折パターンを使い、グラフェンの構造を決定することができた。これにより、いったいなぜグラフェンが存在するのかという問いの答えが得られそうだ。2次元グラフェンシートは、実際は平坦ではなく波打っているらしい。その凹凸は、2層系ではそれほど目立たず、多層サンプルでは完全に消失する。この「波打ち」の性質をもっとよく知ることができれば、これらの極薄炭素膜がなぜそれほど安定なのかが解明されるかもしれない。

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