Nature ハイライト

宇宙:惑星間塵の窒素量

Nature 442, 7101

彗星は、太陽系とほぼ同時期にできた「汚れた雪」のかたまりと考えられている。彗星の氷と星間空間の氷は組成がよく似ていて、どちらも星間空間に起源があることを示しているようにみえる。しかし、明らかな違いもある。彗星では、分子雲に比べて分子状態の窒素(N2)が著しく少ないと考えられている。しかし今回、Maretたちが新しい方法を使って、高密度分子雲中の窒素の存在量を測定した結果、分子状態の窒素ではなく原子状態の窒素が多いことがわかった。この発見で、彗星、隕石、星間塵、分子雲の化学組成の類似性はさらに強まった。窒素の分別作用は、原子のほうが分子よりも大きいので、隕石や星間塵の粒子にみられる同位体比異常も説明できる。

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