Nature ハイライト

細胞:ヒストンコードの解読

Nature 442, 7098

今週号には、クロマチンリモデリングというホットな問題に取り組んだ論文が4本掲載されている。これは、クロマチン上のメチル化の「目印」がタンパク質によってどのように読み取られるかという問題だ。そのうち2本は、ヌクレオソームリモデリング因子であるNURF(nucleosome remodelling factor)のサブユニットBPTF(bromodomain and PHD domain transcription factor)に関するものだ。BPTFにはPHDフィンガーとよばれるドメインが含まれ、これがヒストン3のトリメチル化されたリシン4(トリメチル化H3K4)に結合して、発生に重要な役割を果たすHOX遺伝子の活性を維持することが明らかになった。また、付随する複合体の構造研究から、H3K4がどのように特異的に認識されているかがわかった。ほかの2本の論文は、がん抑制因子ING2のPHDドメインもトリメチル化H3K4を認識することを明らかにしており、このヒストン上の「目印」と転写抑制との関連を示している。この4つの研究から、PHDフィンガーは、これまで知られていなかったクロマチン結合モジュールであることが示された。News and ViewsではP B Beckerが、メチル基に結合するタンパク質がこのような目印を読み取る機構についてこれらの論文が明らかにしたことを論じている。

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