Nature ハイライト

Cover Story:ループのフィードバック:ゲノムDNAの折りたたみを誘導する調節機構

Nature 616, 7958

真核生物では、タンパク質複合体のコヒーシンが、ゲノムのDNAをループ状に押し出すことによって、DNAを折りたたむのに重要な役割を果たしている。DNA結合タンパク質CTCFは、この過程の重要な要素で、ループの形成を調節していると提案されている。今回J PetersとC Dekkerたちは、CTCFの作用の背後にある機構に光を当てている。彼らは、単一のCTCF分子(表紙にピンクで示されている)とコヒーシン(青)の間の相互作用をin vitroで可視化し、CTCFが、コヒーシンによるループの押し出しを阻害するのに十分であることを見いだした。また、CTCFは、ループ押し出しの阻止を方向に依存した形で行うだけでなく、ループを縮ませたり、大きくなる方向を変えたりする場合があることも分かった。重要なのは、CTCFのループ押し出しを阻害する作用の調節的役割自体が、CTCFとコヒーシンが結合するDNAの張力によって制御されていることである。

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