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生化学:CTCFはDNAの張力に依存する障壁であってコヒーシンを介したループ押し出しを妨げている
Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05961-5
真核生物では、ゲノムDNAはコヒーシンの働きによってループ状に押し出される。DNA結合タンパク質であるCCCTC結合因子(CTCF)は、この過程を制限することによってトポロジカルドメイン(TAD)を生じさせ、TADは発生や疾患の間の遺伝子の調節や組換えに重要な役割を果たす。CTCFがどのようにしてTAD境界を確立するのか、また、コヒーシンがこの境界をどの程度通過できるのかはよく分かっていない。今回我々は、この疑問を解決するために、1個のCTCFとDNA上の複数のコヒーシン分子の間のin vitroでの相互作用を可視化した。その結果、コヒーシンの拡散を阻害するにはCTCFだけで十分であることが示され、これはおそらく接着性のコヒーシンがTAD境界に蓄積する仕組みを表している。また、コヒーシンによるループ押し出しの阻害もCTCFだけで行うことが可能で、これはCTCFがTAD境界を確立する仕組みを示している。CTCFは、予測通り、非対称的に機能するが、DNAの張力に依存している。また、CTCFは押し出し方向を変えたり、ループの収縮を誘発したりすることによって、コヒーシンのループ押し出し活性を調節している。これらのデータは、CTCFはこれまで考えられていたようにコヒーシンを介したループ押し出しに対する単なる障壁ではなく、押し出し過程の能動的な調節因子であって、それによってTAD境界の透過性がDNAの張力により調節されることを示している。これらの知見から、CTCFがループ押し出しとゲノムの構造を制御する仕組みの原理が明らかになった。

