Nature ハイライト

Cover Story:融解の筋書き:深層学習が北極の1年を通した海氷の厚さのマッピングに力を与える

Nature 609, 7927

表紙は、ドイツのアルフレッド・ウェゲナー研究所の航空機による海氷探査IceBirdで撮影された、2018年8月の北極の溶けかかっている海氷である。北極の海氷は、気候変動によって、約1000年間見られなかった速度で減少している。しかし、5〜9月の極めて重要な融解期に海氷の厚さのマッピングを行うのは容易ではなかった。今回J Landyたちは、1年を通した北極の海氷の厚さの見積もりを提示している。彼らは、欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星CryoSat-2が集めた観測結果に関する深層学習と数値シミュレーションを用いて融解期のデータセットを作成し、IceBirdの航空測定結果を用いてそれらを確認した。著者たちは、今回の1年を通した海氷の厚さの記録によって、北極の気候フィードバックをより深く理解できるようになると期待している。

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