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気候科学:CryoSat-2衛星による1年を通した海氷の厚さの記録
Nature 609, 7927 doi: 10.1038/s41586-022-05058-5
北極の海氷は、気候温暖化とともに少なくともこの1000年間で並ぶもののない速度で減少している。浮氷群の後退によって北極圏への商業的関心が高まるにつれ、浮氷群はより変化しやすくかつ移動しやすくなり、海上利用者の安全性リスクが高まっている。人工衛星による海氷の厚さの観測は、高度計データの処理に大きな課題があるため、季節予測などの用途に最も役立つと思われる5〜9月の極めて重要な融解期間中は、今のところ利用できない。今回我々は、CryoSat-2レーダー高度計応答の深層学習と数値シミュレーションを用いて、これらの課題を克服し、北極の融解期の海氷厚の汎北極データセットを作成した。CryoSat-2の観測結果は、いくつかの独立したセンサーによって記録された氷融解速度の空間的パターンと時間的パターンを捉えており、「汎北極氷海モデリングおよび同化システム」の再解析によってモデル化された海氷体積の時系列に一致している。2011〜2020年において、北極の海氷厚は、融解期が開始する5月には1.87 ± 0.10 mで、融解期が終わる8月までには0.82 ± 0.11 mであった。今回の1年を通した海氷厚の記録は、さまざまな時間スケールでの北極の気候フィードバックを理解する機会を開く。例えば、初夏からの海氷量の観測によって、北極の海運シーズンのピークにおいて、熟練を要する8〜10月の海氷予測のリードタイムが数か月延びる可能性がある。

