Nature ハイライト

素粒子物理学:陽子の内部に垣間見えた固有クォーク

Nature 608, 7923

陽子は、グルーオンによって3個の軽クォーク(アップ、アップ、ダウン)が結び付けられてできている。量子ゆらぎによって、陽子の内部に他のクォークが一瞬現れるはずである。こうした重クォークは、衝突で生成される粒子と区別するために「固有クォーク」と称され、陽子の質量に寄与していると思われるが、その存在を示す直接的な証拠はまだ見つかっていない。今回R Ballたちは、衝突型加速器の豊富なデータ、特に大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のRun2実験のデータに対して、機械学習分析を開発して適用し、陽子の波動関数の内部に固有チャームクォークが存在することを示す証拠を見いだしている。

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