Nature ハイライト

植物:植物はメタンをまき散らして地球温暖化に加担している

Nature 439, 7073

大気中の温室効果ガスのかなりの部分は植物が原因だとわかった。植物が放出するメタンは、年間発生量全体の実に10〜30%に相当するらしい。  この発見は意外なものだ。それは、植物がメタンを生成するのは酸素がない条件下のみであると考えられてきたからである。今回F Kepplerたちは、酸素の存在する普通の条件下でも、さまざまな植物がメタンを放出していることを見いだした。また、メタンは枯死した植物体からも出ているという。  D LoweはNews and Viewsで「新たな発生源が見つかったことで地球のメタン収支を再検討する必要が出てきた」と論評している。  今回の発見は、熱帯雨林上空に見られる大規模なメタン上昇流を説明できるかもしれない。Kepplerたちはまた、地球上の急速な森林破壊が大気中のメタン蓄積速度低下と関連しているのではないかとも考えている。「新たな森林は、CO2の吸収源として地球温暖化を抑止するのではなく、メタン放出によってかえって温暖化を促進するのではないかという不安を我々は抱えることとなった」とLoweは述べている。

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