Nature ハイライト

細胞:幹細胞の並び方で羽毛の形が決まる

Nature 438, 7070

鳥の羽毛を新しく作り直す幹細胞のある場所が解明され、羽毛の基部でのこれらの細胞の並び方が、羽毛の形を決めることがわかった。  幹細胞は増殖してさまざまな型の細胞になる能力を維持しており、鳥の羽毛が生え替わるときに、羽毛を再生するのに必要である。C-M Chuongたちはニワトリとウズラで実験を行い、特殊な色素を使って幹細胞を標識して、これが羽毛の基部に環状に並んでいることを発見した。綿毛のような放射対称性をもつ羽毛の場合には、この幹細胞の環が羽嚢の基部に対して水平に位置するが、左右対称な飛羽(飛翔用の羽根)の場合には、この環が傾いている。  飛羽ができていくときに、この傾きが作る勾配によって左右対称性が生じるのだろうとChuongたちは推測している。左右対称な飛羽は、放射対称な羽毛よりも後から進化したものと考えられている。

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