Nature ハイライト

腫瘍:腫瘍は転移形成部位を前もって準備する

Nature 438, 7069

腫瘍は、体内の遠く離れた箇所に転移場所を準備するのを促進しているらしい。腫瘍はまず、タンパク質を放出して、これが転移標的となる組織にフィブロネクチンを産生するように誘導する。フィブロネクチンは細胞外表面にあって、多様な細胞の表面受容体に結合するタンパク質である。血球の前駆体となる一部の骨髄細胞もフィブロネクチンに結合する。D Lydenたちは、腫瘍のあるマウスでは、このような骨髄細胞が血流中に入り込んで、将来転移標的となる部位へ行き、そこで細胞塊を形成し、後から来る腫瘍細胞の定着を助けることを示している。  彼らは、少なくともマウスでは、このような骨髄細胞が腫瘍の転移に必要であることも明らかにした。またいろいろな種類の腫瘍はそれぞれ異なる因子を生産し、骨髄細胞はそれによって腫瘍ごとに異なる標的組織へ導かれることも報告している。  これらの結果は、腫瘍が将来の転移部位を準備する過程を阻害すれば、癌患者における転移の広がりを阻止できる可能性があることを示している。P S SteegはNews and Viewsで、「この経路の阻害剤はおそらく転移を遮断するだろうから、大変な関心を呼ぶだろう」と述べている。

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