Nature ハイライト

医学:喘息発作の重症度を予測

Nature 438, 7068

今回初めて、現在の気道状態から30日以内に起こる重症の喘息発作のリスクが算出された。80人の喘息患者を対象に18ヶ月間1日2回気道閉塞の程度を測定し、その結果からリスクを予測したのである。  U Freyたちは、1つのタイプの喘息治療薬(長時間作用型の気管支拡張剤)は将来のリスクを減少させたが、意外なことに別のタイプ(短時間作用型ベータ刺激薬である気管支拡張剤)は実は将来のリスクを増加させたと報告している。これは短期の治療の場合、長期の治療よりも発作がランダムでばらつくようになったためだと著者たちは述べている。「長時間作用型の気管支拡張剤は、長期間にわたる気道機能の安定化により効果的である」と彼らは結論している。  全体的に見て、重症度の高い喘息患者では、発作もさらにばらつきが大きく、ランダムになる傾向があった。おそらく重症患者では、ごく少量の汚染物質やアレルゲンといった、一見それほど有害に思われない環境因子にも、気道が過剰に反応するためだろうと彼らは推測している。これと同様のモデル化が他の慢性疾患の症状にも適用できるかもしれない。

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