Nature ハイライト

Cover Story:ギャップを埋める:爬虫類の進化における大きな遷移に光を当てるTaytaluraの頭蓋化石

Nature 597, 7875

三畳紀のステム群鱗竜類<i>Taytalura alcoberi</i>の想像図。
三畳紀のステム群鱗竜類Taytalura alcoberiの想像図。 | 拡大する

Credit: Artwork by Jorge Blanco, 2021

表紙は、新たに発見され、Taytalura alcoberiと名付けられた三畳紀のトカゲに似た動物の想像図である。爬虫類の進化を示す化石記録は、鱗竜類、すなわち有鱗類(トカゲ類とヘビ類)およびムカシトカゲ類を包含する分類群に関してはいささかまばらである。今回R Martínezたちは、アルゼンチンで発見され、年代が約2億3000万年前と推定されたT. alcoberiの頭蓋化石を用いて、このギャップを埋めるのに寄与している。この保存状態の良い頭蓋は、有鱗類とムカシトカゲ類が分岐する前に進化した系統を代表するもので、従って既知で最古の鱗竜類の一種となる。著者たちは、Taytaluraと現代のムカシトカゲの頭蓋には共通した特徴があると指摘し、ムカシトカゲ類にのみ見られると推測されてきたいくつかの解剖学的特徴は、鱗竜類の進化の初期に生じたはずであると示唆している。

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