Nature ハイライト
発生生物学:培養皿でミニ腸を作製
Nature 585, 7826
腸上皮は、非常に複雑で動的な組織であり、特殊なタイプのさまざまな細胞を含んでいて、それらの細胞が組織化されて巨視的に陰窩と絨毛を形成している。腸組織をin vitroで組織工学的に作製するために多くの取り組みがなされてきたが、現在の系ではin vivo組織の細胞および構造の複雑性を完全に再現できていない。M Lutolfたちは今回、マウスの腸幹細胞からミニチュア腸を発生させた。このミニ腸は、in vivoで見られるのと同様の陰窩および絨毛の空間的配置を示し、マウス腸の細胞の複雑性を再現している。このミニ腸は、長期間の培養、灌流、微生物の定着が可能であり、これによって宿主と微生物の相互作用を研究できるようになる。総合的にこの研究は、腸組織工学における大きな進歩であり、in vitroでの腸の生物学的研究の新しいモデルになる。
2020年9月24日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:三次回路素子を用いた脳型コンピューティング
材料科学:自己集合コロイドダイヤモンド
気候科学:森林再生による炭素蓄積速度のマッピング
保全:陸域の生物多様性の減少傾向を反転させる大胆な取り組み
植物生物学:OSCAチャネルと植物の免疫
発生生物学:培養皿でミニ腸を作製
コロナウイルス:非ヒト霊長類におけるCOVID-19治療薬の試験
コロナウイルス:クロロキンはTMPRSS2を発現する細胞ではSARS-CoV-2を阻害しない
免疫学:肝臓–脳–腸神経相関による腸の末梢性制御性T細胞の調節
生物工学:酵母で医薬品工場