Nature ハイライト

分子生物学:ヘテロマー複合体の進化

Nature 581, 7809

オリゴマー複合体が進化してきた道筋の解明は難しい問題である。今回J Thorntonたちは、酸素を運搬する脊椎動物ヘモグロビンのヘテロ四量体が出現した道筋のモデルを明らかにしている。再構築した祖先タンパク質を調べることにより、古代のヘモグロビン祖先タンパク質は単量体であって、タンパク質表面の一領域に起こった小さな変化によってこの領域が相互作用部位になり、まず二量体が形成され、さらにヘテロ四量体へと変化したことが示された。そして、この二量体が二量体化したことにより、酸素親和性と協同性が高まったのである。

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