免疫学:上皮細胞膜の小孔形成はアレルギー性気道炎症を誘導する
Nature 645, 8080 doi: 10.1038/s41586-025-09331-1
アレルギー気道炎症を誘導するアレルゲンは非常に多様であるが、それらは一般に2型免疫応答を活性化する。気道上皮細胞はアレルゲンを感知するのに重要である。しかし、類似した自然免疫応答を引き起こす多様なアレルゲンに共通する特徴や、上皮によるそれらの検出機構はまだほとんど明らかにされていない。今回我々は、アレルギー気道炎症のありふれた刺激の1つとして小孔形成タンパク質を見いだし、その免疫活性化機構を突き止めた。我々は、広く見られるカビアレルゲンであるAlternaria alternataをモデルとして使い、2型自然免疫感知を調べるためのin vitro系を確立した。6段階の生化学的分画により、中核となる免疫活性化構成因子としてAeg-SとAeg-Lが特定された。生化学的再構成とクライオ電子顕微鏡観察では、これらのタンパク質は16〜20量体の膜貫通型小孔複合体を形成することが明らかになった。それらの協調的な小孔形成は、真正の2型免疫アジュバントとして作用し、抗原特異的な2型ヘルパーT応答と免疫グロブリンE応答を支持した。小孔形成活性を欠損させた遺伝子改変A. alternata株は、マウスでアレルギー応答を誘導しなかった。さらに、多様な種由来の小孔形成タンパク質は、構造や膜標的に違いはあるものの、呼吸器アレルギーを誘発するのに十分であった。気道上皮細胞における小孔形成は、2つの機構によってアレルギー応答を起こす。1つはIL-33の放出を引き起こすもの、もう1つはCa2+の流入が関わるもので、Ca2+の流入はMAPKシグナル伝達と2型炎症性遺伝子発現を活性化する。これらの知見から、構造的に多様な刺激が引き起こす共通した摂動を、2型免疫応答が検出する仕組みについての手掛かりが得られた。上皮の小孔形成の下流シグナル伝達の標的化は、呼吸器のアレルギーを治療するための新たな道を開く可能性がある。

