構造生物学:天然のCa2+透過性AMPA受容体のゲート開閉とノエリンのクラスター形成
Nature 645, 8080 doi: 10.1038/s41586-025-09289-0
AMPA型のイオンチャネル型グルタミン酸受容体(AMPAR)は、速い興奮性シナプス伝達に不可欠であり、シナプス可塑性、運動協調性、学習および記憶に重要な役割を担っている。組換えAMPARおよび天然のカルシウム不透過性(CI)-AMPARについては、その補助タンパク質も含めて構造研究が広く行われているが、天然のカルシウム透過性(CP)-AMPARの分子構造はまだ決定されていない。今回我々は、CP-AMPARのサブユニット組成、生理的構造、ゲート開閉機構を解明するために、ラット小脳から免疫親和性精製したこれらの受容体を可視化して、クライオ電子顕微鏡を用いてその構造を解いた。その結果、一般的な会合体はGluA1およびGluA4サブユニットで構成され、GluA4サブユニットはBとDの位置を占めていて、膜貫通型AMPAR調節タンパク質(TARP)をはじめとする補助タンパク質はB′およびD′の位置にあり、コーニションホモログ(CNIH)もしくはTARPはA′およびC′の位置にあることが分かった。さらに、ノエリン(NOE1)–GluA1–GluA4複合体の構造も解明したところ、NOE1はBとDの位置にあるGluA4サブユニットと特異的に結合していることが明らかになった。注目すべきことに、NOE1は受容体のゲート開閉能に影響を与えることなく、アミノ末端ドメイン層を安定化している。NOE1は、細胞外ネットワークに接続している可能性の高い二量体AMPAR会合体を形成し、シナプス環境内で受容体をクラスター形成させ、シナプス入力に対する受容体の応答性を調節することにより、AMPARの機能に寄与している。

