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量子シミュレーション:リュードベリピンセットアレイにおけるドープされた量子反強磁性体の実現
Nature 644, 8078 doi: 10.1038/s41586-025-09377-1
反強磁性(AFM)モット絶縁体にドーピングすることは、高温超伝導体を含む強相関電子系における多様な現象の理解の中心となっている。理論的研究や数値的研究では、正孔ドーパントのトンネリングtとAFMスピン相互作用Jの競合を記述するために、典型的なt–Jモデルに重点を置くことが多く、関連する粒子密度の高い領域におけるこのモデルの直接的なアナログ量子シミュレーションが長年求められてきた。今回我々は、リュードベリピンセットのプラットフォームを用いて、次近接(NNN)トンネリングt′とハードコア・ボソニック正孔を伴うドープされた量子反強磁性体を実現した。我々は、スピンと正孔を符号化する3つのリュードベリ準位間のコヒーレントなダイナミクスを用いて、これまで手の届かなかったパラメーター領域を研究可能にする、調整可能なボソニックt–J–Vモデルを実装した。|t/J| ≪ 1の場合に正孔領域とスピン領域の動的相分離が観測され、多様なスピン背景において反発的に結合した正孔対の形成が実証された。NNNトンネリングt′と摂動的な対トンネリングの干渉によって、tの符号に応じて軽い対と重い対が生じた。単一サイト制御を用いることで、二次元(2D)正方格子(反)強磁性体における単一正孔のダイナミクスの研究が可能になった。今回実装されたモデルによって、リュードベリピンセット実験のツールボックスが、スピン1/2モデルを越えてt–Jモデルやスピン1モデルといったより広いクラスへと拡張される。

