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微生物学:プロファージは細胞表面受容体を阻害して子孫ウイルスを守る
Nature 644, 8078 doi: 10.1038/s41586-025-09260-z
微生物群集の中で、ウイルス同士は宿主細胞を巡って争い、競合相手を抑制するために多様な機構を進化させてきた。1つの戦略に重感染排除(SIE:superinfection exclusion)があり、この戦略ではウイルス感染が成立すると同一細胞での二次感染が阻止される。この現象は、真核生物ウイルスの拡散に重要な役割を持つことが示されている。本研究で我々は、細菌ウイルス(バクテリオファージ、以降ファージとする)では重感染排除タンパク質が類似の役割を果たしており、細菌群集の中でウイルス拡散を促すことを明らかにする。我々は、共通のファージ受容体であるIV型線毛の動態を変化させる1つのファージタンパク質の特性を解析した。このタンパク質はZipとして知られ、線毛活性を完全には阻害しないが、その活性を微調整し、これによって適応コストなしに強力なファージ防御をもたらす。注目すべきは、Zipが新たに放出されたファージ子孫のインターナリゼーションや破壊も防ぐことであり、我々はこの現象を、我が子を飲み込んでしまうギリシャ神にちなんで「抗クロノス効果」と命名した。Zip活性は、溶原菌群集中で遊離ファージの蓄積を促進することにより、ウイルス拡散を増強した。さらに、抗クロノス効果は、多様なプロファージがコードする重感染排除系で保存されていることが示された。我々の結果は、ファージ子孫を守る重感染排除系の機構の基盤を明らかにし、細菌系と真核生物系におけるウイルス防御機構の保存についての手掛かりを示している。

