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神経科学:短鎖ペプチドがアルツハイマー病のタウ繊維を分解する仕組み
Nature 644, 8078 doi: 10.1038/s41586-025-09244-z
タウタンパク質の繊維状凝集体を減らすことは、アルツハイマー病(AD)の進行を止めるための有望な戦略である。我々は以前、D-鏡像異性体ペプチド(D-ペプチド)であるD-TLKIVWCは、周囲の温度による熱運動以外のエネルギー源を使わずに、AD患者の剖検脳から抽出した超安定なタウ繊維(以降、これらのタウ繊維をAD-tauと記す)をin vitroで分解し、無害な断片にすることを見いだした。D-ペプチドを介した分解を、ADに対する治療法に向けた経路の候補として検討するためには、この分解作用の機構とエネルギー源を解明することが不可欠である。今回我々は、D-ペプチドがアミロイド様(擬似アミロイド〔mock-amyloid〕)の繊維に組み立てられることが、AD-tauの分解に不可欠であることを示す。これらの擬似アミロイド繊維は右巻きだが、AD-tauとの複合体の鋳型となるときは、左巻きになることを強いられる。擬似アミロイドが左巻きから、緩んだ右巻きへの変換に伴って起こるひずみの解放は、タウ分子間の局所的な水素結合を破壊するのに十分なトルクを生み出し、AD-tauの断片化を引き起こす。このひずみ解放機構は、アミロイド繊維分解の他の例でも作用しているようであり、アミロイド疾患の画期的な治療薬開発に有益な情報となるだろう。

