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ナノスケール材料:電子顕微鏡におけるマグノン分光法
Nature 644, 8075 doi: 10.1038/s41586-025-09318-y
トランジスターの小型化は、熱管理と情報転送速度の課題から限界に近づいている。こうした障害を克服するために、電子の電荷だけでなくそのスピンも用いるスピントロニクスなどの新たな技術が開発されつつある。界面や構造欠陥における局所的な現象は、スピンを用いるデバイスの効率に大きな影響を及ぼすことから、ナノスケールや原子スケールでのスピン波伝播の研究能力が、重要な課題となる。従って、マグノンとも呼ばれるスピン波を、関連する長さスケールで調べる高空間分解能ツールの開発は、スピン波の特性が局所的な特徴によってどのような影響を受けるかを理解するのに不可欠である。今回我々は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて、バルクTHzマグノンをナノスケールで検出した。我々は、ハイブリッドピクセル電子検出器を備えた高分解能電子エネルギー損失分光法を用いることで、弱い信号がもたらす課題を克服し、薄い酸化ニッケル(NiO)ナノ結晶においてTHzマグノン励起をマッピングした。得られた知見は、最新の非弾性電子散乱シミュレーションによって裏付けられた。こうした結果は、マグノンを検出し、ナノスケールの構造的欠陥や化学的欠陥に起因するマグノンの分散と変化を調べる新しい道を開く。これは、マグノニクスにおける節目となり、スピントロニクスデバイスの開発の絶好の機会となる。

