微生物学:機能性アミロイドタンパク質は捕食性細菌に対する防御となる
Nature 644, 8075 doi: 10.1038/s41586-025-09204-7
ブデロビブリオ属細菌Bdellovibrio bacteriovorusは、グラム陰性菌を無差別に捕食する捕食性細菌であり、餌細胞のペリプラズムに侵入することで、宿主の栄養素を浸出させて、最終的にはこの感染細胞を溶菌することで脱出し、新たな宿主を見つける。B. bacteriovorusの捕食の生活環は、多くの点でバクテリオファージと似通っている。しかし、ファージ防御とは異なり、B. bacteriovorusに対する防御は広く調べられていなかった。今回我々は、B. bacteriovorusに対する抵抗性についてさまざまな大腸菌(Escherichia coli)株のコレクションをスクリーニングし、おおよそ3分の1の株がカーリー(curli)繊維を産生することによって、捕食に対してロバストに防御することを見いだした。カーリー繊維は、非常に耐久性のある機能性アミロイドタンパク質CsgAのオリゴマーである。我々は、遺伝学と顕微鏡を用いて、カーリー繊維バイオフィルムの形成に必要とされる遺伝子とは独立に、感受性細胞を保護するバリアとなることを実証した。さらに、このバリアは捕食性細菌であるミクソコッカス属の捕食性細菌Myxococcus xanthusや特定のファージによる攻撃から大腸菌を守った。細菌性アミロイドのバイオインフォマティクス解析によって、この系は多様であり、内膜と外膜という二重の膜を持つ細菌で広く見られることが示された。これらの1つには、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)がコードする進化的に異なるアミロイドがあり、これもB. bacteriovorusに対する防御効果が確認された。本研究は、機能性アミロイドが広い範囲の脅威から細菌を防御することを明らかにしている。

