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進化遺伝学:古代DNAから明らかになったウラル系民族とエニセイ系民族の先史

Nature 644, 8075 doi: 10.1038/s41586-025-09189-3

北ユーラシアの森林帯と森林ステップ帯では数千年にわたり、北部の諸民族の間で社会文化的つながりが持続してきたが、それらの民族の歴史の多くはほとんど理解されていない。特に、現在のウラル語族とエニセイ語族を話す集団のゲノム形成については分かっていない。今回我々は、この地域一帯の古代人180人についてゲノム規模のデータを作成することで、前期完新世から中期完新世の狩猟採集民には、バルト海地域の完全なヨーロッパ系からトランスバイカル地域の完全な東アジア系まで、祖先系統の連続的な勾配が存在したことを示す。北東シベリアの同時期の複数集団はこうした勾配から外れていて、アメリカ先住民の主な起源であった集団の子孫であり、その後これらの集団は、東アジア内陸部の集団およびアムール川流域の集団と混合して2つの集団を生じた。これら2つの集団の拡大は、青銅器時代以前の集団構造が崩壊した時期と一致する。1つ目の集団であるシス-バイカル後期新石器–青銅器時代の集団(Cisbaikal_LNBA)の祖先系統は、エニセイ語族の話者集団およびこの集団と混合した集団と関連付けられ、2つ目の集団であるヤクート後期新石器–青銅器時代の集団(Yakutia_LNBA)の祖先系統は、先史時代のウラル語族話者の移動と関連付けられた。我々は、Yakutia_LNBAがまず、約4000年前にレナ川流域から西方のアルタイ・サヤン地域と西シベリアのコミュニティーへと拡散したことを示す。この西シベリアのコミュニティーは、アルタイから爆発的に広がった一連の高度な青銅鋳造技術であるセイマ・トルビノ冶金と関連付けられている。セイマ・トルビノ期の16人は多様な祖先系統を持ち、インド・イラン関連の牧畜民やさまざまな狩猟採集民集団のDNAも有していた。従って、初期のウラル語族話者コミュニティーの最初の広がりに関与したセイマ・トルビノ現象には、文化の伝達と移動の両方が重要であったと考えられる。

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