Article

ウイルス学:R9APは上皮細胞やB細胞でのEBV感染に対する共通の受容体である

Nature 644, 8075 doi: 10.1038/s41586-025-09166-w

エプスタイン・バーウイルス(EBV)は人口の90%以上に持続感染しており、伝染性単核球症や自己免疫疾患感受性、上皮細胞やB細胞起源のさまざまな悪性腫瘍を引き起こす。EBVは、ウイルスの糖タンパク質と宿主のさまざまな受容体間の相互作用を介して上皮細胞やB細胞に感染するが、その2つの主要な宿主細胞標的の感染を共通の受容体が仲介しているかどうかは、まだ明らかにされていなかった。本論文で我々は、R9APが上皮細胞とB細胞に侵入するための必須のEBV受容体であることを明らかにする。R9APのサイレンシングあるいはノックアウト、R9AP由来のペプチドおよびR9APモノクローナル抗体はそれぞれ両細胞種へのEBVの取り込みを有意に阻害する一方で、R9APの過剰発現は取り込みを増強した。R9APはEBVの糖タンパク質gH/gL複合体に直接結合し、gH/gL–gBによる膜融合を開始させる。特にR9APとgH/gLとの相互作用は、EBVによる上皮細胞やB細胞への侵入を阻止する高競合性gH/gL中和抗体AMMO1によって阻害された。さらにR9APは、B細胞ではEBV gp42–ヒト白血球抗原クラスII複合体と、上皮細胞ではgH/gL–EPHA2複合体と連携して、ウイルスと細胞の膜融合を仲介した。我々は、R9APはB細胞と上皮細胞に共通する重要な受容体であり、EBVに対する予防薬やワクチンの有望な標的であると提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度