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進化学:アフリカからの拡散に先行して起きた、人類のニッチの大規模な拡大

Nature 644, 8075 doi: 10.1038/s41586-025-09154-0

現在の全てのユーラシア人は、その先祖のほとんどを、約5万年前にアフリカから拡散した小集団にさかのぼる。一方で、化石証拠は、人類がそれよりも早い年代にアフリカ外に移動したことを証明している。これらの異なる証拠は、初期の拡散が後の大きな拡散の波に対して、ほとんど、あるいは全く遺伝的に寄与しなかった場合にのみ成り立つ。そのため、カギとなる疑問は、アフリカの外での長期的な定着につながった、後の拡散を成功させた要因が何であったかに関するものとなる。今回我々は、この後の拡散に先行して、アフリカ内での人類のニッチの幅に顕著な拡大があったことを示す。我々はまず、年代測定が実施されている一連の考古学的遺跡の汎アフリカデータベースを構築し、種分布モデル(SDM)を用いて、過去12万年以上にわたる生物気候学的ニッチの変化を定量化した。その結果、人類のニッチは7万年前から大幅に拡大し始めたこと、そしてこの拡大は、人類が、森林から乾燥した砂漠まで、多様な生息地タイプをますます使用するようになって駆動されたことが見いだされた。従って、5万年前以降にアフリカ外に拡散した人類は、気候的に困難を伴う生息地に遭遇した際に、ヒト族の中でも極めて高い生態学的柔軟性を備えており、これが適応的成功のカギとなる機構になったと考えられる。

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