構造生物学:GFPを模倣したDNAの複雑な3D構造
Nature 618, 7967 doi: 10.1038/s41586-023-06229-8
RNA分子が複雑な三次元(3D)構造をとることを可能にする仕組みは、多くの研究で明らかにされている。これとは対照的に、DNAが高度な生化学的機能を発揮できる複雑な3Dフォールドを、タンパク質やRNAといったパートナーに依存せず、自己集合によって形成できるかどうかはまだ分かっていない。in vitroで進化させ、我々が「Lettuce(レタス)」と命名したDNA分子は、GFPから得られた条件付きフルオロフォアに結合して活性化する。今回我々は、発蛍光性RNAやGFPなどの蛍光タンパク質についてのこれまでの構造研究をDNAに拡張するために、Lettuce–フルオロフォア複合体の特性をX線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡法を使って調べた。その結果から、53個のヌクレオチドからなるDNAが4WD(four-way junction)フォールドをとっていることが明らかになった。Lettuceの4つのステムは、4WJ RNAでよく見られるカノニカルなL字形あるいはH字形の構造ではなく、2つの同軸スタックを形成し、これらが同一線上に詰め込まれて、中央のグアニン四重鎖を形成しており、そこにフルオロフォアが結合している。このフォールドは、スタック形成、核酸塩基の広範囲にわたる水素結合(このDNAの主な同軸スタックの連続層を橋渡しする、珍しい斜めにスタックされた塩基によるものなど)や、一価および二価の陽イオンの配位によって安定化されている。全体的には、この構造は同じくらいのサイズの多くのRNAよりもコンパクトである。Lettuceは、DNAがRNAのような三次相互作用を用いずに、複雑な3D構造を形成できる仕組みを明らかにしており、核酸の構造についての新しい原理が、複雑なDNAの解析から得られる可能性を示唆している。

