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物性物理学:単層の鉄系高温超伝導体における対密度波状態

Nature 618, 7967 doi: 10.1038/s41586-023-06072-x

対密度波(PDW)は、クーパー対が担う運動量がゼロでない特異な超伝導状態である。高温(高Tc)銅酸化物超伝導体やカゴメ超伝導体に固有のPDW秩序が存在することを示す証拠が、最近見つかっている。しかし、鉄系高温超伝導体におけるPDW秩序は、まだ実験的に観測されていない。今回我々は、走査型トンネル顕微鏡法と走査型トンネル分光法を用いて、SrTiO3(001)基板上に成長させた単層の鉄系高温超伝導体Fe(Te,Se)膜において、PDW状態を発見したことを報告する。局所状態密度の空間電子変調、超伝導ギャップ、絡み合った電荷密度波秩序の渦の周りのPDWのπ位相シフト境界によって、周期がλ ≈ 3.6aFe(aFeは隣接Fe原子間の距離)のPDW状態が、ドメイン壁で観測された。単層Fe(Te,Se)膜における今回のPDW状態の発見によって、高温超伝導体において相関電子状態と非従来型クーパー対形成の相互作用を調べるための低次元プラットフォームが得られた。

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