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がん:ERα関連転座が乳がんにおけるがん遺伝子増幅の根底にある

Nature 618, 7967 doi: 10.1038/s41586-023-06057-w

コピー数の局所増幅は、発がん性事象の1つである。最近の研究で、がん遺伝子アンプリコンの複雑な構造と進化的軌跡が明らかになってきたが、それらの起源についてはまだよく分かっていない。本研究で我々は、乳がんでの局所増幅は、我々が転座–架橋増幅と命名した機構から生じることが多いことを示す。この機構には染色体間転座が関与しており、これによって二動原体染色体の架橋形成と切断が引き起こされる。780の乳がんゲノムにおいて、局所増幅はその境界部で染色体間転座によって高頻度に相互接続していることが観察された。その後の解析によって、以下のモデルが示された。まず、G1期にがん遺伝子の近傍が転座して二動原体染色体が形成され、この二動原染色体が複製される。そして、有糸分裂中に二動原体姉妹染色体が分離する時に、染色体架橋が形成されて破壊され、生じた断片はしばしば環状化して染色体外DNA中に存在する。このモデルは、ERBB2やCCND1などの主要ながん遺伝子の増幅を説明する。頻発性増幅境界部と再編成ホットスポットは、乳がん細胞でのエストロゲン受容体の結合と相関している。実験的には、エストロゲン処理は、エストロゲン受容体の標的領域でDNA二本鎖切断を誘導し、これらは転座によって修復されることから、エストロゲンが最初の転座の生成に役割を持つことが示唆された。がん種横断的な解析により、局所増幅を開始させる機構には組織特異的な偏りがあることが明らかになり、切断–融合–架橋サイクルが優勢な組織もあれば、転座–架橋増幅が優勢な組織もあり、これにはおそらくDNA切断修復のタイミングの違いが影響していると考えられる。我々の結果は、がん遺伝子増幅の一般的な様式を明らかにしており、乳がんではその機構の起点はエストロゲンであると提唱している。

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