Article

物性物理学:超伝導体UTe2における磁場に敏感な電荷密度波

Nature 618, 7967 doi: 10.1038/s41586-023-06005-8

三重項超伝導への強い関心は、部分的には、非アーベル型マヨラナモード、カイラル超電流、半量子渦などのエキゾチックな励起の理論的予測に由来している。しかし、三重項超伝導が強相関系に現れると、根本的に新しい意外な状態が出現する可能性がある。今回我々は、走査型トンネル顕微鏡法を用いて、重フェルミオン三重項超伝導体であるUTe2における異常な電荷密度波(CDW)秩序を明らかにする。得られた高分解能マップから、多成分の非整合CDWの強度が磁場の増大につれて弱くなり、このCDWは最終的に超伝導臨界磁場Hc2で消失することが明らかになった。我々は、この異常なCDWの現象論を理解するために、3つの三重項対密度波状態と共存する一様な三重項超伝導体のギンツブルグ–ランダウ理論を構築した。この理論では、起源が対密度波状態であるために磁場に敏感であると思われる娘CDWが生じ、今回のデータの説明が得られる可能性がある。今回、磁場に敏感で超伝導と強く絡まり合ったCDW状態が発見されたことで、UTe2の秩序パラメーターの理解に重要な情報が得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度