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物性物理学:UTe2における対密度波状態の検出
Nature 618, 7967 doi: 10.1038/s41586-023-05919-7
スピン三重項トポロジカル超伝導体は、量子情報処理に関連する、分数値に量子化された電子状態を含め、前例のない多くの電子的特性を示すはずである。UTe2は、そのようなバルクのトポロジカル超伝導を具現化する可能性があるが、その超伝導秩序パラメーターΔ(k)はまだ知られていない。このような重フェルミオン材料では、多様な形のΔ(k)が物理的に可能である。さらに、絡み合ったスピン密度波(SDW)、電荷密度波(CDW)、対密度波(PDW)が介在する可能性があり、PDWは、空間的に変調する超伝導秩序パラメーターΔ(r)、電子対密度、対形成エネルギーギャップを示す。従って、UTe2に新たに発見されたCDW状態は、この材料にPDW状態が存在する可能性への期待を抱かせる。今回我々は、このPDW状態を探すために、走査型トンネル顕微鏡(STM)の超伝導探針を用いて、対形成エネルギーギャップをマイクロ電子ボルトスケールのエネルギー分解能で可視化した。その結果、先に発見されたCDWの波数ベクトルQi=1,2,3と見分けのつかない非整合波数ベクトルPi=1,2,3の位置に、それぞれピーク間のギャップ変調が約10 μeVのPDWが3つ検出された。UTe2の超伝導PDWと非超伝導CDWの同時可視化によって、全てのPi:Qi対が、相対的な空間位相δΦ ≈ πを示すことが明らかになった。これらの観測結果から、そしてUTe2がスピン三重項超伝導体であることを考えると、このPDW状態はスピン三重項PDWであるはずである。このような状態は、超流動体3Heには確かに存在するが、超伝導体では前例がない。

