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免疫学:免疫グロブリンMのFcμRによる認識
Nature 615, 7954 doi: 10.1038/s41586-023-05835-w
免疫グロブリンM(IgM)は、胚発生や体液性免疫応答に際して最初に出現する抗体である。IgMは、B細胞受容体(BCR)複合体内の単量体膜結合型IgM、血清中の五量体IgMや六量体IgM、粘膜表面の分泌型IgMなど、いくつかの異なる形態で存在することができる。FcμRは、哺乳類における唯一のIgM特異的受容体で、さまざまな形態のIgMを認識して、多様な免疫応答を調節する。しかし、この基盤となる分子機構は分かっていない。今回我々は、結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡法により、FcμR–IgM相互作用の構造基盤を明らかにする。2つのFcμR分子がFcμ-Cμ4二量体と相互作用することが明らかになり、これによってFcμRが2:1という化学量論で膜結合型IgMと結合できることが示唆された。さらなる解析から、BCR複合体中のIgMはFcμR結合部位に接近できることが明らかになった。対照的に、五量体IgMは4つのFcμR分子を誘導して、同じ側で結合することで、FcμRオリゴマーの形成を促進できる。これらのFcμR分子の1つは分泌成分(SC)の結合部位を占有する。しかし、SCを含む分泌型IgMでは、この反対側に4つのFcμR分子が結合し、これは分泌型IgMの逆輸送におけるFcμRの機能と一致している。これらの結果は、FcμRによるIgM認識の複雑な機構を明らかにしている。

