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生態学:10年にわたる海洋温暖化による浅海サンゴ礁生物の大陸規模での減少
Nature 615, 7954 doi: 10.1038/s41586-023-05833-y
人間社会は自然に依存しているが、人類の生態学的基盤が危機に直面しているかどうかは、種個体群の体系的モニタリングが行われていないため、いまだ明らかにされていない。種の変動に関する知識は、海洋の領域では特に不十分である。今回我々は、オーストラリア周辺の1636カ所に生息する、複数の門からなる一般的な浅海サンゴ礁生物1057種の個体群の傾向を、過去10年にわたって評価した。その結果、多くの熱帯魚類、温帯の無脊椎動物(特に棘皮動物)、オーストラリア南西部の大型藻類など、大半の個体群でこの期間にわたり個体数が減少したが、サンゴの個体群は比較的安定していたことが分かった。個体数の減少は概して、局地的な水温が2008年の温度を0.5°C以上上回った熱波の年に続いて起きていた。熱波の後、種の個体数は一般に、分布域の高温境界付近で減少し、低温境界付近で増加する傾向があった。寒冷な緯度域では浅海の無脊椎動物種の30%以上に高い絶滅リスクが認められ、個体数が急激に減少している個体群は、深海の障壁によって閉じ込められ、温度上昇に伴う極方向への避難が妨げられていた。不釣り合いなほど大きな脅威にさらされている温帯の海洋生態系には進化的に古い起源を持つ種が含まれており、こうした生態系を保護するには保全努力を強化する必要がある。そうした努力、そして相互作用する人為起源の選択圧と自然の選択圧に効率的に適応するためのより幅広い社会的要請の中で重要なのは、種個体群の傾向のモニタリングを大幅に拡充することである。

