Article

材料科学:近赤外域における輝度が高く安定したペロブスカイト発光ダイオード

Nature 615, 7954 doi: 10.1038/s41586-023-05792-4

ペロブスカイト発光ダイオード(ペロブスカイトLED)は、外部量子効率(EQE)が急速に向上しているため、広く注目を集めている。しかし、ペロブスカイトLEDにおいて高いEQEが報告されているのは、低電流密度(1 mA cm−2未満)や低輝度の場合が大半である。高輝度における効率低下と急速な劣化によって、ペロブスカイトLEDの実用が阻まれている。今回我々は、高輝度において非常に優れた性能を示すペロブスカイトLEDを実証する。これは、ペロブスカイト膜における非放射領域を除去すると同時に電荷輸送層との界面においてペロブスカイトのルミネッセンス消光を抑制する、多機能分子の導入によって実現された。得られたLEDは、800 nmの近赤外光を放出し、33 mA cm−2において23.8%のピークEQEを示し、最大1000 mA cm−2という高電流密度において10%を超えるEQEを維持した。パルス動作では、3200 W s−1 m−2を超える高い放射輝度とともに、4000 mA cm−2という超高電流密度で、16%のEQEを維持した。注目すべきは、初期放射輝度107 W s−1 m−2のときに32時間という動作半減期が実現されたことであり、これは、高輝度レベルでEQEが20%を超えるペロブスカイトLEDでは最良の安定性を示す値である。今回高輝度において高効率で安定なペロブスカイトLEDが実証されたことは、商業化への重要な一歩であり、電気励起ペロブスカイトレーザーなど、従来のLED技術を超える新たな機会が開かれる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度