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神経科学:気道から脳への感覚経路がインフルエンザに誘発される病気を仲介する

Nature 615, 7953 doi: 10.1038/s41586-023-05796-0

病原体に感染すると、ニューロンによって調整される行動的・生理的変化を伴う定型的な病気の状態が生じる。感染に際して、免疫細胞はサイトカインなどのメディエーターの「ストーム」を放出し、その多くはニューロンによって感知される。しかし、それに応答する神経回路や、自然感染の際に病気行動を引き起こす神経–免疫相互作用の機構については、いまだ解明されていない。病気の軽減に広く用いられているアスピリンやイブプロフェンなどの市販薬は、プロスタグランジンE2(PGE2)の合成を阻害することで作用する。有力な機構モデルは、PGE2が血液脳関門を通過して視床下部のニューロンに直接働くというものである。今回我々は、マウスで、末梢の感覚ニューロンのアトラスを広範にカバーする遺伝的ツールを用い、このモデルではなく、PGE2を感知する舌咽の感覚ニューロン(錐体GABRA1ニューロン)の小群が、インフルエンザに誘発される病気行動に極めて重要であることを明らかにする。錐体GABRA1ニューロンを除去するか、これらのニューロンでPGE2の受容体EP3を標的にしてノックアウトすると、インフルエンザに誘発される感染初期の食物摂取と水分摂取の減少や運動性の低下が解消され、生存が改善した。遺伝的に誘導された解剖学的マッピングからは、錐体GABRA1ニューロンが、感染後にシクロオキシゲナーゼ2の発現が増加した鼻咽頭の粘膜領域に投射すること、また、これらのニューロンが脳幹内で特異的な軸索標的化パターンを示すことが明らかになった。総合するとこれらの知見は、局所的に産生されたプロスタグランジンを感知して、呼吸器系ウイルス感染に対する全身性の病気応答を仲介する、気道から脳へと向かう一次感覚経路の存在を明らかにしている。

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