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幹細胞:サイトカインを含まない化学的組成の明らかな培地によるヒト造血幹細胞の増幅

Nature 615, 7950 doi: 10.1038/s41586-023-05739-9

造血幹細胞(HSC)は、移植後に免疫系細胞を含む全血液細胞を再構築することができるまれなタイプの幹細胞で、さまざまな血液疾患の細胞療法に用いられる。しかし、体内のHSCは数が少ないため、生物学的解析も臨床応用も困難であり、ヒトHSCをex vivoで増幅することが困難であることはHSC移植をより安全でより多くの疾患を対象とした治療に利用しようとする際の大きな障壁である。ヒトHSCの増幅を刺激するためにさまざまな試薬が検討されてきたが、サイトカインはHSCをex vivoで維持・増幅するために不可欠であると長い間考えられてきた。今回我々は、ヒトHSCの長期的なex vivo増幅を可能にする培養系を確立したことを報告する。これは、外因性サイトカインとアルブミンを、化学アゴニストとカプロラクタムベースのポリマーにそれぞれ置き換えることにより達成された。ホスホイノシチド3-キナーゼを活性化する薬剤と、トロンボポエチン受容体アゴニストおよびピリミドインドール誘導体UM171との組み合わせは、異種移植実験で二次移植した際にも生着が可能な臍帯血HSCの増幅を刺激するのに十分であった。ex vivoでのHSCの増幅は、一個のHSCから増殖した細胞が複数のレシピエントに生着する実験結果や単一細胞RNA塩基配列解析によってさらに裏付けられた。我々が開発した化学的組成の明らかな培地による増幅培養系は、HSCによる臨床治療の前進に役立つ。

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