Article

天文学:ブラックホールと中性子星に共通した降着不安定性

Nature 615, 7950 doi: 10.1038/s41586-022-05648-3

コンパクト天体を取り巻く降着円盤は、光度が高くなると不安定な段階に入ると予想されている。不安定性は、降着によって生じる輻射圧が円盤の粘性を変化させるときに生じる可能性があり、その結果として、短い時間スケールで円盤内縁のガス物質の枯渇と再充填が繰り返される。しかし、このようなシナリオは、1例の恒星質量ブラックホールに対してしか定量的に検証されていない。いくつかの独立した例にこうしたサイクルの手掛かりが存在するが、降着を受けている明るい中性子星やブラックホールの大半の変動する放射でそうしたサイクルが見かけ上存在しないことは、長い間の謎だった。本論文で我々は、降着を受けている中性子星の周囲に同じ多波長の不安定性が存在することを報告する。さらに我々は、降着円盤が不安定であって、円盤内縁を枯渇させたり再充填させたりする遷移の間に相対論的な放出物を生成するとすれば、降着率が高いときのブラックホールと中性子星の電波からX線までの電磁波スペクトル全体の変動を一貫して説明できることを示す。こうした新しい関連性によって、強い降着を受けるコンパクト天体の高速の多波長変動の原因となる、主要な物理的要素の特定が可能になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度