Article

がん:原発性および転移性の脳腫瘍の単一細胞レベルでの空間的な免疫の全体像

Nature 614, 7948 doi: 10.1038/s41586-022-05680-3

単一細胞レベルでの技術によって、腫瘍微小環境の特性についてこれまでなかったほどの徹底した解析が可能になり、腫瘍細胞とそのニッチにおける著しい細胞多様性が明らかになってきている。抗腫瘍免疫は、腫瘍微小環境内での細胞間の関係に依存しているが、多くの単一細胞研究では空間的状況が明らかでなく、分離された組織に依存している。今回我々は、イメージングマスサイトメトリーを用いて、患者から採取した139例の高悪性度グリオーマ(神経膠腫)と46例の転移性脳腫瘍について、免疫学的全体像の特性解析を行った。389の高次元組織病理画像にわたる110万個以上の細胞の単一細胞解析によって、免疫細胞の系譜と活性化状態の空間分解が可能になり、原発性腫瘍と多様な固形がんから転移した脳腫瘍の間の免疫の全体像における差異が明らかになった。これらの解析から、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)患者で腫瘍細胞の周辺領域(cellular neighbourhood)が生存と関連することが示され、我々はこの結果を用いて、長期生存と関連するミエロペルオキシダーゼ(MPO)陽性マクロファージの珍しい集団を明らかにした。今回の結果は、原発性および転移性の脳腫瘍の生物学的特性についての手掛かりをもたらすとともに、がん微小環境の構成を解析するためには、空間分解と単一細胞データセットの統合が有用であることを強調している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度