Review

気候科学:完新世の全球気温の難問を再考する

Nature 614, 7948 doi: 10.1038/s41586-022-05536-w

現在の間氷期(完新世:1万1700 年前〜)についての最近の全球気温の再構築結果は、対照的な傾向を示している。本論文では、代理指標記録から推測され、気候モデルによってシミュレートされたような、全球変化の指標や駆動要因から得られた証拠を調べ、長期的な温暖化傾向と地球寒冷化のどちらが人為起源の地球温暖化に先行したか評価した。工業化以前の数千年スケールの寒冷化には、さらなる気候強制と大きな気候フィードバックが必要だが、これらは今のところ、気候モデルの大半ではうまく表されていない。逆に、工業化以前の地球温暖化は、代理指標に基づく過去の気候の再構築結果に異議を唱えることになる。この難問の解決は、産業革命以降の温暖化の状況の説明と、温室効果ガスを含むいくつかの強制力とそれに伴うフィードバックに対する気候感度の理解に影響を及ぼす。入手可能なさまざまな証拠から、中期完新世における比較的穏やかな千年スケールの全球の温暖化極大の裏付けが得られたが、この難問をしっかりと解明し、動きの遅い気候変動に関する理解を深めるには、さらなる研究が必要である。

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