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社会科学:論文と特許の、打破する力が徐々に弱まっている
Nature 613, 7942 doi: 10.1038/s41586-022-05543-x
発明と発見について、科学技術の変化に関する理論は、発明と発見を内発的な過程だと見なしており、研究者がニュートンの言う「巨人の肩の上に立つ」ことが許されることで、過去に蓄積された知識による未来の進歩が可能になっている。ここ数十年は、新たな科学技術的知識の量に指数関数的な増加が見られ、大きな進歩に向けて機が熟したと考えられる状態が生まれている。しかし、この見方に反し、複数の主要な領域で進歩が減速していることを示唆する研究がある。今回我々は、60年にわたるスケールでこうした主張の分析を行った。それに当たって用いたのは、6つの大規模なデータセットに由来する4500万編の論文と390万件の特許に関するデータ、そして論文や特許が科学技術における引用のネットワークをどう変化させるかを明示する新たな定量的指標「CDインデックス」である。論文と特許は、科学技術を新たな方向へ押し進める形で過去から脱却する傾向がますます弱まっていることが分かった。このパターンは各領域に広く当てはまり、引用や用語に基づく各種の指標にわたってロバストである。続いて我々は、この打破する力の低下を過去の知識の利用範囲の縮小と結び付けることにより、観察されたパターンと「巨人の肩」説との折り合いを付けることができた。観察された打破する力の低下は、発表される科学の質や引用の仕方、領域固有の要因が変化したためではなさそうであることが明らかになった。まとめると我々の結果は、打破の減速が科学技術の性質の根本的な変化を反映している可能性を示唆している。

