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鉱物学:沈み込んだスラブから得られた超深部のダイヤモンド内の極めて多様な酸化還元状態
Nature 613, 7942 doi: 10.1038/s41586-022-05392-8
揮発性物質に富んだ沈み込むスラブがマントルに取り込まれることで、大きな酸化還元勾配が局所的に生成され、岩石相の安定性と、元素分配や揮発性物質の分化に影響を及ぼす可能性がある。今回我々は、ギニアのカンカンで得られたダイヤモンドの包有物に記録された深部マントルの酸化還元状態を調べている。エンスタタイト(前のブリッジマナイト)、フェロペリクレース、Mgのみに富んだカンラン石(Mg#99.9)の包有物は、660 kmの地震学的不連続面の近傍の極めて多様な酸化還元状態で形成されたことを示唆している。我々は、遷移層と下部マントルの境界における高温のスラブの下側での脱水、再含水、脱水を含むモデルを提案する。下部マントルから加熱されて崩壊したスラブ内で脱水によって遊離した流体は、H2Oが新しい含水鉱物内に隔離されたスラブの低温の内部へ上昇する。その結果生じた残った流体の分別によって、極度に還元的な条件が生成され、Mgを端成分とするリングウッダイトが形成される。さらに、この分別された流体は母岩のダイヤモンドも凝結させる。継続的な加熱によって、ダイヤモンドの周囲のスラブ内のリングウッダイトからブリッジマナイトとフェロペリクレースが形成され、加熱されたスラブの脱水により生成された含水流体の中でダイヤモンドが成長するにつれて捕獲された。

