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生態学:熱帯の窒素固定樹種における広範な植食コスト

Nature 612, 7940 doi: 10.1038/s41586-022-05502-6

最近の観測結果から、成熟林および回復中の森林の大きな炭素シンクが窒素によって強く制限されている可能性が示唆されている。細菌と共生している窒素固定樹(固定者)は、熱帯林に新たな窒素をもたらす天然の主要な供給源となる。しかし、固定者の個体数は強く抑制されており、何が熱帯生態系に新たな窒素が入るのを制限しているのかという根本的な未解決問題が浮き彫りになっている。今回我々は、熱帯林の共生窒素固定の制限は動物による植食が原因なのかどうかを調べた。我々は、窒素固定樹がそれ以外の樹木以上に植食を受けるのか、植食が大きな炭素コストとなるのか、そして、植食の多さが植食動物が固定者の窒素に富む葉を標的とする結果なのかについて、評価を行った。パナマの熱帯樹43種の実生350株から採取した葉1626枚を分析した結果、(1)全ての実生は植食によって成長と生存を抑制されているが、窒素固定樹では非固定者よりも植食が26%多いこと、(2)固定者の植食に起因する炭素機会コストは非固定者を34%上回り、窒素固定の代謝コストを超えていること、(3)固定者の植食の多さは葉の窒素量の多さに駆動されてはいないことが見いだされた。今回の知見は、植食が、熱帯の共生窒素固定を制限するのに十分である可能性があり、熱帯の炭素シンクの窒素制限の緩和において共生窒素固定が果たす役割を抑制し得ることを明らかにしている。

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