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生物工学:細胞の同化作用を改善するための植物由来の天然光合成系

Nature 612, 7940 doi: 10.1038/s41586-022-05499-y

不十分な細胞内同化作用は、体内の多数の病理過程に関係する重要な要因である。細胞内物質の同化には、十分な量の細胞内エネルギーの消費と還元当量の産生が必要である。細胞の生物学的過程では、ATPが「エネルギー通貨」として働き、還元型のNADPHが重要な電子供与体となって、同化のための還元力を供給する。しかし病的な状態では、損なわれた同化作用を修復し、不十分なレベルにあるATPとNADPHを増加させて最適な濃度にするのは難しい。今回我々は、自律的で制御可能なナノサイズの植物由来光合成系を、ナノチラコイド単位(NTU)を基盤として開発した。異種間での使用を可能にするために、特殊な成熟細胞膜(軟骨細胞膜〔CM〕)を封入物の隠蔽に用いた。我々は、概念実証実験として、これらのCM-NTUが膜融合を介して軟骨細胞に入り、リソソームによる分解を回避すること、また迅速に浸透することを明らかにした。さらに、CM-NTUは光に曝露するとin situで細胞内のATPとNADPHのレベルを上昇させ、変性した軟骨細胞の同化作用を改善する。CM-NTUはまた、エネルギーの不均衡を全体的に是正し、細胞の代謝を回復して軟骨の恒常性を改善し、変形性関節症の病状進行を防ぐこともできる。変性疾患に対するこの治療戦略は天然の光合成系に基づいていて、重要なエネルギーと代謝関連担体を他に依存せずに供給することにより、細胞の同化作用を制御しながら増強できる。この研究はまた、生物有機体や複数の成分からなる生体物質を、疾患治療のために調製し適用することの理解を深めるものだ。

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